FLOOR J-10


千浩観察室(17ヶ月-24ヶ月)

車で帰省。
神奈川から三重の実家まで、車で6-7時間。これまでは車で泣かれると
大変だったので、帰省は新幹線にしていた。が、今回夜出発することにして
実行。20時出発、津に到着が午前2時半。千浩はほとんど寝ていた。
目を開けてぼんやりしていることもあったが、 泣くこともなく静かに帰省。
大成功。今度からはこれでいくことにする。

言葉がかなりわかるようになる。
「ご飯食べる?」「う!!」「ママのこと好き?」「う!!」
最近会話が成り立つようになってきた。こうなると結構面白い。夫婦で話している
会話ももしかしたらかなりの割合で理解されているのでは?と思う。が、
「苦い薬は好き?」「う!!」
なんて答えるところを見ると、まだまだなのかも知れない。が、
思いきり腹が空いたところで「ご飯食べる?」と聞くと、
「う!!!!!」 と力強くうなずく。やっぱりかなり分かっているのかも
知れないと思いつつ、会話を楽しむのであった。

車が好きか、鉄っちゃんか。
会社のさる人によれば、 男の子は鉄道マニアか車好きか、どちらかになるのだそうだ。
千浩はどうかというと、まだ分からない。乗り物が好きなことは確かだ。
7月の海外旅行の時は、飛行機になびけばいいかなと思っていたが、
さすがにちょっと無理だった。それでもスペースシャトルのおもちゃをあげたら、
それで遊んでいた。先っちょがとがっているほうが前だということは、
何となく理解できているようだ。(地面を滑らしてはいたが)
妻がよく東海道線の見える場所に連れていくと、ずっと見ている。
トミカのミニカーは大好きだ。この前「ライオンバス」を買ってあげたら、
本当に嬉しそうだった。車に乗せたら、「ゴッゴー!!」という。
俺が教えたのか。ま、いいや。父親個人としては、できれば車の方に傾いて
くれれば、できればバイクの方にも傾いてくれればと、願うのであった。
ドカティで幼稚園送り迎えが夢だったのだ。売ってしまった。くそ〜。
しかし男の子が乗物好きということは、やはり男は動いて働いて、
獲物を捕ったり穀物をとったり、昔からそういう存在だったのかなと。
自分もバイクで走ったり、何か動くものを操縦したり、飛行機に乗ったり、
そういうものが好きだもんな〜。

かなり言葉を覚える。
どんどん言葉を覚えている。特に乗物系は覚えるのが早い。
電車は「たったん」 、車は「ブーブー」、パトカーは「パーポー」。
それと食べ物。グリーンピースは「ピー」、トウモロコシは「こーん」(これだけ英語?)、
いろいろしゃべれるようになったなと思っていたら、1週間の間に
おなかが空いたときに「アップウ(何かを食べるまね)」、「ネンネ」(眠いとき)が
言えるようになった。分からないものもある。「ダンダンダンダン」(色鉛筆)は
なんでそうなるのか、考えても良く分からない。

ジャンプ。
ジャンプできるようになった。といっても実際に出来ているわけではなく、
伸び上がっているだけ(足は地面から浮いてない)だが、
心の中では浮かび上がっているみたいで、非常に楽しそうだ。
階段でもわざと飛び降りるようになった。自分も
車庫から飛び降りて、両親にこっぴどく叱られていたのを思い出す。
自分では当時は転ぶ気がしなかったが、横で見ていると
怖いんだろうなと親の気持ちが今になってやっと分かった。
子供を持たないと分からないこと、とても多い。

三輪車、買う。
値段は高いがカッコいい、 デンマーク王室御用達の三輪車だ。
かっこいいぞ。これは。自分が欲しいくらいだ。といっても乗れないけど。
自分が子供のころ、こういうのに乗っていたらデザインセンスも変っていたんだろうなと。

通常のものは黄色とかビビッドな色使いだが、2000年バージョンは銀色。
しぶい。それにシンプルなパイプワーク。しびれる。やっぱり
自分が欲しいぞ。これは。クリスマスプレゼントということで、
イブの晩に千浩の枕元に置いておく。次の日は朝から出張だったので、
喜ぶ顔を見れず。残念。

こら、そういうデザインの乗り物にどてらで乗るんじゃない。
実際にはまだ、足で蹴って進むのみで、ペダルをこいで
進むには至らず。ま、しばらくはそれで楽しんでもらおう。
ペダルを漕いで楽しめると知ったら、また嬉しいだろうな。

正月なので、実家に。
仕事等で忙しくて、なかなか相手が出来なかったが、
しばらくぶりで遊んでみると階段を上るときのバランスの良さ、
ソファーの上からのジャンプ等、運動能力がかなり向上していた。
三重の実家への帰省は、前回と同じ夜8時出発、2時到着。
前は犬にはあまり近づかなかったが、今回はかなり
楽しそうに近づいていく。ついには犬の寝床(段ボール箱)に
入って遊びだす。

犬にとってはあまり喜ばしからぬ客みたいだ。抱きつかれても固まっている。
千浩が遊びだすと、大抵寝床から逃げ出して妻のところに来る。「何とかして」と目が訴えている。


ちなみにこれは生後6ヶ月。モコはやっぱり嫌がっている。

語彙、かなり増える。
数字の書いてある本をいっしょに見る。
「1」「ち!」「2」「に!」「3」「さん!」「4」「し!」「5」「ゴー!」
「6」「く!」「7」「な!」「8」「ち!」言った事をかなりまねして言えるようになってきた。
聞いていると単語の最後の音が強く印象付けられているようだ。
またこれに伴い、言葉での話の流れを覚えだした。たとえばおやつを食べるとき、
「ママ、い〜い?」と聞いてくる。「いいよ」というと、食べだす。
これをおやつが無くても、何度も繰り返す。 なんというか、インタラクティブだ。

千浩の想像力。
子供の想像力はなんだろうかと考えてみる。千浩は、絵本に描いてあるケーキを見ながら、
手でとって口に入れるふりをいている。食べられないのが分かっていて、食べている事を
想像しながら楽しんでいるように見える。(昔はレストランのメニューに口を伸ばしていたが)
千浩は電車が好きだ。3センチ角のブロックを7つくらいつなげて、手で動かしながら
「タタン、タタン」と電車のように遊んでいる。トーマスのプラレールもあるので、
写実的なおもちゃはあるが、なくて不足な訳ではない。ブロックを電車に見なして
遊んでいる。それでは自分が子供の時はどうだったか。洗濯ばさみを5つくらいつなげて、
飛行機にしたり、車のプラモデルのエンジンブロックが宇宙船だったりしていた。
いつのまにかそういう心は失われてしまったように思われるが、子供のころは
今より遥かに想像力はたくましかった、そう思われる。写実的で精密はおもちゃは
子供に必要か。少なくとも、今の千浩には必要ないように思われる。
今必要なのは、自分の前にあるものを感じて何かを想起する、
そういう心なのだろうと、そんな風に感じた。それをする前に子供の前に何かの解を
ぽんと置いてしまうと、そういう心が失われてしもう様な、そんな気がして。しかし、
そういう矮小な大人の想像力を子供は遥かに超えて、まったく新しい遊びや力を
産みだすかもしれないので、最終的には「分からん」としか言い様がないな。

色がわかるようになる。
ベネッセの教材、こどもチャレンジ。あのしまじろうがキャラクターの、
あれである。うちもあれをとっている。その中に色に関する教材が在り、
これで千浩は色に名前があることを知った。信号で
「あか!」「あお!」とうるさい。「きいろ」はまだ分かってないようだ。
おもしろいだろうな、毎日が発見の連続だったら。千浩の今の生活は、
まさにそれだ。毎日何かを学んで、それも大人が味わうような、何かの延長上に
何かを思えるのではなくて、全く違った概念を次々に。毎日が冒険で、
毎日が挑戦で、毎日が発見。大人になってもそれを失わなかったら、
大したやつになれるだろう、きっと。


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Updated at March 31, 2001